生き方再確認

「いろんな生き方にふれてみたい。」その思いから始めました。

東京視点で見る香川

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善通寺駅前にて)

「香川=うどん」という思い込み

  9月29日から3日間、香川県高松市を中心に行ってきました。初日は県庁にて県の子どもの貧困対策についてヒアリングを、2日目は現地の学生と交流、3日目は宇多津市と善通寺駅前を歩いてきました。

 香川を漫喫したい、どこかいいとこない?と聞くと「香川はうどんしかないよ~。」と現地の人にも言われます。果たしてそうなのかと実際に歩いてみると、確かにうどん屋さんの看板は多く目につきます。しかし、本州とは地続きではない四国という島の文化、本州から見ての玄関口としての香川とみていくと、本州にはない独特の雰囲気があるのではないかと思えてきました。

 

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(宇多津市内にて)

東京にはない時間の”流れ“と“空間”

 県内で一番栄えている高松市。駅を降りるとすぐに瀬戸内海が見えます。しかし空港から高松駅までバスで来ると、この駅前の雰囲気は駅前だけのものだとすぐに感じることができます。四国の中で年間の降水量も少なく、大きな川もない県。車窓から見える田園風景は、渇水とどう向き合ってきたのかと想像が膨らんでいきます。現地の方に聞くと、一昔前までは自衛隊がよく水を配給してくれていたようです。今でも節水制限があるそうですが、東京から来た自分からはその事実がすごく衝撃でした。

 1日目から2日目にかけては、泊まる宿がなかったので高松駅周辺で野宿をしていました。東京では人の目が気になって寝づらい空気感がありますが、香川ではお遍路があるおかげなのか、その空気感はあまり感じられませんでした。深夜の高松はどこから来たのか若者たちがレースをしたり、ダンスをしたり、デートをしたり、そんな開放感を漂わせるものでした。人口密集の問題かもしれませんが、東京と異なり、ぶつかる心配も満員電車の居心地の悪さもなく、また違う地方都市とも異なって、街と自然がいい具合に住み分けされたような感じがしました。「東京ほど都会は嫌だけど、自然ばっかりな田舎も嫌」という人にはちょうどいいような県だと思います。

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高松市内のうどん屋さんにて)

東京にあったらいいなと思うけども、、、

 うどんがとにかく安いということで、お金がない自分には香川のおいしいうどんは香川も感じれておなかも一杯になるという嬉しい食べ物でした。最近にできたお店やチェーン店よいは、ほんとに昔からやっているようなうどん屋さんはやっぱりいいなと感じました。最初にうどん屋で驚いたのは、「え、どれくらいゆでればいいの?」とゆでられた麺が手渡されたときです。東京ではせめて自分でつゆを足すか、ネギや天かすをかけるかがセルフ式だと思うのですが、香川では最後のゆで加減、あったかさを自分でやるというのがセルフ式なようです。

 地元の方は店に入ってから出るまで、うどんを食するという動作が身にしみついていました。だから観光客が入ると、なぜか店の流れを少し止めてしまう感じがします。香川のうどんは、確かにうどんの味がおいしいというのもあると思いますが、それだけでなく、この食べるという動作そのものに「おいしい」という文化があるのではないかなと思いました。このうどん屋さんが東京にあってほしいと強く感じたわけですが、東京に来ると「おもてなしが行き届いてない!」、「ちょっと早く頼んでよ」となりそうで、やっぱり香川という文化は輸入できない、香川でしか味わえない味なんだなと思いました。

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高松駅付近から朝日を撮影)

地域に住むということ

 「自分はこの地域に住み続けたいか、どうか」

 いろんな地域に行く度に聞いてます。人によって違うので、今回出会った人の声だけがその県の様子だとは言いませんが、香川の場合は他の都市部ではない地域と同様に、いろんなロールモデルとなるような存在と出会えるきっかけや場所が少ないのかなと感じました。でもその言い方は結構東京的な言い方で、それがいい悪いというわけではなく、もっとちゃんと話を聴き続けていきたいと思いました。

 例えば、今回たまたま遭遇した地域のお祭。お祭りのメインの担い手はやはりそこにいる子ども・若者で、旗から見ると「いいな」と思いますが、担い手にとってはそれ以上に「大変」というのがあります。準備のために、お金を集めてまわったり、あいさつをしたり、練習を重ねたり。仕事や学校があるのに、そこに住んでいるというだけで巻き込まれてしまうという側面も。それでも祭りがやるのがいいなと言える人も入れば、いやもうそんな“しがらみ”から抜け出したい、両方の声があると思います。

 単純に地域がいいというのではなくて、もっと地元の方の声をきいていきたいと思いました。

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(琴平にて撮影)